リキッドを自作する ~なめらかWホワイト 桃葡萄~

何となくおいしいものができたので紹介です。

白ブドウと白桃……白くて香りが上品なフルーツふたつを使って作ってみました。

f:id:zakdiyvape:20190311123037j:plain

写真がうまくないですね…… 

Vandy Vape Pulse 80W Box Mod Resin Standard VersionWotofo Recurve RDA Atomizerをセット。0.26Ω、40Wで吸うことを前提にリキッドを作りました。

筆者の場合、有名レシピもの以外は、セッティング(どのアトマイザーを使うか)を決めてから作り始めます。

目指したのはマスカット系でさわやかな甘みのある、なめらかなフレッシュフルーツリキッドです。ジューシーさを出したいのでメンソール系は入れません。

PODで吸うには絶対に物足りない味にしかならないでしょうから、せめてDLのアトマイザーを使ってください。また、コットンがきっちり巻いてあるコイルヘッドを使うサブオームタンクなどでは、味が抜ける可能性があります。

プルームテックのリキッドの詰め替え用などには特に向かないと思います(香りが全く出なくて、変な化学臭のする甘い汁になるでしょう)。

 

6% FW White grape

2% FA White peach

1% FA Lemon sicily

0.5% Capella Super Sweet

 

まず、10gのPGVGを使って、香料を入れ終えたときになんとなく10mlになる当たりを狙ってみました。

まずFWのWhite grapeを5%から始めました。吸ってみると、かなり強めにホワイトグレープを感じます。これ以上入れると酒っぽいえぐみが出そうで、慌ててここで止めました。

次になめらかさを出すために、FAのWhite Peachを入れました。むしろFAのWhite peachの味が好きで好きで、これをほんのちょっと足して風味をつけることを前提に作り始めた面もあります。非常に生っぽい汁感たっぷりの白桃という感じです。FAのWhite peachは他では代用できません。2%入れて吸ってみたところ、いきなりホワイトグレープがかなり隠れてしまうという事故が……

まずいと思い、ホワイトグレープを1%足し、計6%に。この時点でフレーバー率はたった8%なのに、かなり濃い味になりました。ホワイトグレープ4%にホワイトピーチ1%でもよかったか……と迷いましたが、これにもう一種類さっぱりさせるためにシトラス系のレモンかライムを入れる予定だったので、このままいくことにしました。

ここで、リキッド全体の甘みを決めます。カペラのスーパースイートを0.5%足しましたが、今一つだったので、1%に増やしました。はい、失敗確定です。ゲロ甘です。少量でテストするとこういったことが良く起こります。攪拌不足だったり、スケールがうまく誤差を拾えなかったりという原因がほとんどです。

仕切り直して……

ここまでで全体的にのっぺりとした甘さだけでさわやかさが足りませんので、レモンを足します。FAのLemon Sicilyを入れましたが、これはTFAのレモンなどでもいいかもしれません。ただ、FAのLemon Sicilyは唐揚げの横に添えてあるレモンを絞った時に散った飛沫のような生っぽい香りがあるので、これを使いました。FAのフルーツ系フレーバーはこういったナチュラルな香りがするものが多い感じがします。0.5%で物足りなかったので、1%まで増やしました。レモンを増やすと同時に、ホワイトグレープが表面に出てきました。

メインのフレーバーを決めていても、さっぱりさせたい、もう一つ何か足りないというときに、他のフレーバーを足すわけですが、この「もう一種類」が全体のバランスに大きく影響を及ぼします。ですから、少し物足りないベースにバランスをとるフレーバーを入れるといいと思います。初めにがちがちに出来上がりの濃い味を設定してしまうと、隠し味も甘味料も作用しないおいしくないリキッドになってしまいます。

 

おいしいw (きわめて主観的感想)

 

これでフレーバー率9.5%という、割合低フレーバー率のリキッドができました。DLでズゴーっと吸っても嫌味や尖りがない、非常にチェーンしやすい滑らかな感じのリキッドになりました。

 

良かったらお試しください。

Vapeリキッドの作り方 ~ E juice me up(リキッド計算アプリ)の使い方~

作ったレシピをメモ帳やエクセルで管理することもいいと思いますが、すでに開発されているアプリがあるので、それを利用するととても簡単にレシピの管理ができます。

これらを利用することで、香料の比率が%で書かれたレシピサイトをより簡単に利用することもできます。


e juice me up
です。

f:id:zakdiyvape:20190303001149p:plain

とりあえずDLして実行してください。

f:id:zakdiyvape:20190303000642p:plain

このような画面が表示されます。

このままでは重量による計算ができませんので、PGやVGの比重を入力します。

f:id:zakdiyvape:20190303001417p:plain

メニューバーからToolボタンを押すと、以下のようなボックスが開きます。

f:id:zakdiyvape:20190303001426p:plain

ここに比重を入力します。比重はLiquid Barnというサイトを参考にしました。

PGはおよそ1.04、VGはおよそ1.26です。フレーバーについては、公式からブランドやフレーバーごとに事細かに比重が公表されていますが、筆者はすべて1にしています。そこまでこだわりはありません。

f:id:zakdiyvape:20190303001631p:plain

比重の入力が終わったら、OKを押してボックスを閉じます。

ソフトはおおよそ以下の部分に入力を行うことにより、6であらわされるg計量の結果を得ることができます。

f:id:zakdiyvape:20190303003353p:plain

1.ニコチン濃度

 手持ちのニコチンリキッドの濃度とPGVGの割合を入力してください。

2.香料の名前を入力します

3.出来上がりのリキッドの希望ニコチン濃度を入力してください。

4.作りたいリキッドの出来上がり量を入力してください。

5.香料の量を%(レシピサイトなど利用の場合は指定通り)で入力します。

7.Caliculateボタンを押します。

6.に比重込みで計算された結果が表示されます。指定されたとおりにボトルに入れていけばいいので簡単です。

8.ここにはPGVGの割合を入力します。開発者の推奨通りに作りたい、MaxVGで作りたい、POD用に50:50で作りたいなどの希望があるでしょうから、必要な際は利用します。

ここから得られる数値をもとに以下の記事の手順の通りに作成します。

 

zakvape.hatenadiary.com

 

リキッドを自作する ~自分のレシピを作る アイスドピーチティー~

突然自分のレシピを作る……これは可能です。

ひとつの例を挙げれば、癖の強いブレのない香料(パイナップルやバナナ、あるいはいちごなど)にステビア、あるいはスクラロースを入れるだけで、ある程度「それっぽいものができてしまう」香料も実際に存在するからです。

 

しかしそれ以外になるとどうでしょう。

ピーチ、メロン、アップルやレモンは香料に甘味料を加えるだけでは、雰囲気を感じる事さえ非常に難しいと感じます。また、紅茶ベースのさっぱり味はまだしも、スティープ期間が一か月前後とされるタバコ風味などになると、さらに開発は難しくなるでしょう。

 

少し自分でも吸えるものができたので、一つ紹介したいと思います。

まず、イメージはハイリクさんのピーチアイスティーです。筆者が初めて市販リキッドを購入し、AIOで吸ってみたのがこのリキッドですので、思い入れがあります。しかし、全く同じものを作ろうとは思いませんでした。しかしこういう雰囲気のものを作りたいというイメージの根幹はここからきています。

まずは自力でイメージするスキルがないため、ここは思い切りイメージとして頼ることにしました。

さらにもう一つの理由は、アメリカなどではお茶系のレシピがほぼ存在せず、レシピ丸パクリで置き換えだけにはならないだろうからよい練習になるかもしれないと感じたからです。

 

単純に自分好みの味に調整して、結果だけを記すと以下のようになりました

7% TFA Sweet tea 

3% Capella Peaches and Cream 

2% FA Lemon Sicily

0.5% capella Super sweet

1% FA White peach

0.5% Ws-3

 

以下は筆者が取った手順です。

まず、ノートかE juiceレシピを簡単に保存できるのアプリを準備する必要があります。

 

f:id:zakdiyvape:20190303000642p:plain

このようなソフトを利用すると簡単に計量と記録の保存ができます。

DLはこちらから。

f:id:zakdiyvape:20190303000735p:plain

 

まず、TFAのSweetteaを買ってみました。これを中心に構成します。

推奨濃度は5%~10%

5%では香りが立たず、苦っぽい後味だけしか感じることができませんでしたので、7%まで増やしてみました。何となく薄い紅茶という感じがしたので、まずここで止めました。

 

次にピーチを選びます。

CapellaのPeach&Creamを選びました。本当はTFAのPeach Juicyの方が圧倒的に有名です。しかし筆者はどうしてもPeachJuicyが好きにはなれなかったのです。一般的にピーチと定義されている香料ではありますが、自分がピーチだと信じている香りの「ピーチ」ではなかったのです。自分さえよければよいので、Capellaにします。

2%から始めたのですが、紅茶と混じっておいしくない味になったので、いったん2%で止めて放置。何が足りないかを考えます。

 

全く甘味が感じられず、口の中が気持ち悪かったので、ここでスイートナーを入れることにしました。スイートナーは入れても0.5%~1%が理想だといろいろな記事で読みましたので、いったん0.5ストップします。

 

何となくおいしくなりましたが、味がのっぺりしています。さわやかさの欠片もない。

そこでレモンを入れたらおいしくなりそうな気がしたので、レモンを選びます。これはFAのLemane Sicilyを選びました。海外のYouruberが一番デキのいいレモンだと推していたこと、実際に購入してみて嗅いでみたところ、他のレモンよりも好みだった……それだけです。

この時点でだいぶさわやかになり、のっぺりと底に沈んでいたピーチの輪郭が出てきました。

 

しかしまだピーチの生っぽさが足りません。

そこでFAのWhitePeachを選びました。これはもう蓋を開けた時点で「これが筆者が考えるおいしいピーチ」という勝手なイメージに合致したからです。しかしフレッシュすぎ、メインの香料にするには薄すぎる印象を受けたので、あえて大まかな外枠ができてから入れようと決めていたものです。

これを0.5%混ぜてみたのですが、どうもピンときません。レモンとコンボで量を考えながら少しずつバランスがいい状態を作っていきます。

結果ホワイトピーチが1%、レモンが2%で落ち着きました。

 

あとは清涼剤かメンソールです。

初めて自作に手を付けたとき、フルーツの香料に飽和メンソールを入れて、フルーツの香りが全くしなかったただのスースーする変なにおいの甘い液を作ってしまった経験が生きました。清涼剤は下手に使うと、甘味料と同じく、リキッド全体の風味をすべて消してしまいます。その失敗を踏まえて徹底的に有名レシピで評価がいいフルーツメンソール系のレシピを作ってみたとき、ほとんどの人が0.5%前後しか使っていない、そしてそのくらいの濃さだとフルーツの香りをつぶさずに、ほんの少し薄い清涼感を得られると経験したことから量を決めました。

最小単位の0.5%で十分で他の香りがしっかりとたち、さわやかさが十分に際立ったためここで完成としました。

 

とても初めからこれを勘で作ることはできませんでした。どうしてもここにたどり着くまでに、公開されている人気レシピを数個作って自分の好みを探り、開発者の意図などを読み込んで、それを参考に香料を選んでみました。

 

これをパクリ……と呼ぶかどうかは微妙なところだと思います。極端な話をしてしまうと、例えば基礎学力はパクリなのか……という問題に行き当たりますが、基礎学力がなければ簡単な証明どころか買い物すらできません。そういう意味ではたくさんの問題を解く(たくさんのレシピを作ってみて考える)という行為はパクリのようであっても、計算ドリルのようなものであるような気がします。つまり必要最低限のことであると今のところは思っています。そしてこれはある一定のレベルで満足する(自分が趣味として楽しむ)ことが最終目的であれば、十分に機能する方法であると筆者は考えます。

 

さらにここから数種類の紅茶系のレシピを作りました。

アップルティー、トロピカルティーなどです。これもアップルだけではなく、アップルパイや数種類のアップルを組み合わせたり、数滴ずついろいろな香料を混ぜながらおいしそうな香りがするまで調整します。アールグレイは難しかったので今のところ保留です。

 

あくまでもド素人初心者の筆者が試してみておいしいと感じるものができた経験談です。参考になれば幸いです。

リキッドを自作する ~自分のレシピを作る 有名レシピから学ぶ 何がリキッドを構成しているか~

 まず、自分の思うリキッドを作ろうと思った場合(クローンなども含む)、それらがどのように構成されているか知る必要があります。

たとえば、レモンミント味のリキッドを吸ってみたいとします。そこでたいていはレモンフレーバーとメンソールなどを混ぜて作ることが思い浮かぶでしょう。しかしこれでは「レモンミント味」ではなく、トイレの芳香剤の味にしかなりません。ではどうしたらいいのでしょうか。

このため、レシピサイトで公開されている有名なレシピをいくつか作ってみる必要があります。

因みに筆者も初心者ですので、ほとんどが他のサイトからの受け売りや、他のサイトを読み込んで試した結果の感想となります。

 

ボディを使いこなす

よくある例としては、フルーツ系でデザート系とまではいかないのに「バーバリアンクリーム」か「チーズケーキグラハムクラスト」が入っている場合などです。これらはボディと呼ばれます。フルーツ系だけでは香りが飛びやすく、薄く、レイヤーも発生しません。このため、クリーム系やクラッカー系を入れてその周りにフルーツの香りをまとわせてレイヤーを作る方法です。

これらを学ぶには、Strawberry FogやGod Milkなどを作ってみるといいでしょう。

 

特定フルーツ系のリキッドの完成のために他のフルーツフレーバーを使う

これはフルーツのレイヤーになります。ストロベリーをアップルを混ぜ合わせることによって、特定のフルーツのフレーバーを前面に出す……ボディとして確立させるという方法です。これを学ぶには、Glass AppleやMama Melonを作ってみるといいでしょう。

 

ミルク風味、クリーム風味を使いこなす

バナナ味やストロベリー味、ピーチ味を作るとき、ホイップクリームやバニラアイスクリームを使うレシピが数多くあります。また、バナナ味を作るのに「バナナ」香料を使わずに、「バナナクリーム」香料を使うパターンから知ることができます。「これらはフルーツ系のツンとくるアルコールっぽさや化学薬品臭を打ち消すことができます。

主にStrawberry Banana MilkShakeやBoss reserve cloneなどを作ってみると感触がつかめてきます。特にグリークヨーグルトを使ったレシピは注意しないとすべてが梅ガムの味になります。ヨーグルトの酸っぱさとフルーツの酸味の扱いは非常に難しいと感じます。これを緩和するために、さらにクリームやアイスクリーム系を加えます。

 

有名なレシピから特定の香料を抜く

手っ取り早く上記三点を学ぶには、例えばバーバリアンクリームを抜いたものを作る、チーズケーキグラハムクラッカーを抜いたものを作る、ストロベリーとアップルを混ぜることによって「アップル味のリキッド」を作るところ、あえてアップルだけで作ってみる、ヨーグルトものからクリームを除外するなどの方法で、特定の材料を除いて作っにたものを味見してみるとよくわかります。

結論から申し上げますと、おいしくありません。※個人の感じ方がありますので、かえってこちらの方が「疲れない味」がすると感じる人もいます。

この実験の良いところは、抜いた状態で味見をしてみて、おいしくないことを確認した後に抜いた香料を分量分足せば、作ったリキッドを捨てずに済むということです。

これはスイカに塩をかけて食べるのか、肉じゃがに砂糖もみりんも入れるか、あるいは砂糖は入れずに醤油とみりんだけで味を整えるかに似ています。好みもありますので、ぜひ試してみてほしい過程です。

 

甘味料が何かをおぼろげながらつかむ

フルーツ系やデザート系は、手っ取り早く甘味料を足してしまえば何となくおいしいと感じることが極めて多くあります。しかしそれらはベイパーズタンを招きやすく、ポッドやコイルのガンクを増やすデメリットもあります。

レシピを見ると、スイートナーやコットンキャンディ(これも甘味料です)を使っていないのに、非常に甘く感じるレシピもあります。香料そのものに甘味がついているものがありますが、それだけではありません。どういう癖があるのか、例えばコットンキャンディと書いてあるものをCapellaのSuperSweetに置き換えてみるなどで実験してみるとよいかと思われます。差異を感じないようであれば、気にする必要はありませんが、後々複雑なレシピを作るようになると、それぞれが大きな印象の違いを与えることに気づくことがあります。

 

足し算と引き算

ファッション誌に腐るほど出てくる言葉ですね。引き算の美しさ、挿し色の技術。ファッション誌は視覚だけで、へーと思えるかもしれません。しかしながら香料はいちいちグリセリンで溶いて味見(あるいはその前にスティープという過程が発生する可能性もある)する必要があるため、その労力は計り知れません。しかしながらこれは経験からしか得ることができないような気がします。もっとっ手っ取り早く知る方法があれば、私もとても興味があります。

 

フレーバーノート

フレーバー単品がどのような味をしているか、どのような風味を持っているか、ひとつずつテストしていきます。数年がかりの作業になります。私はこれは初心者の段階では労力の割に得られるメリットが少なすぎる気がします。なぜならば「すべておいしくない」ことが多いからです。ケミカル臭が強かったり、混合を前提として作られているものにおいては「ピーチ」と書いてあってもピーチの香りがしないものもあるからです。

まずは有名レシピの足し引きで何となく全容を知ることの方が労力と挫折感を味合わずに済みますし、「何をしているのかわからない」「ただ頭痛だけを引き起こす動作を繰り返す」という気分を感じずに済むと思います。

足し算引き算がレシピから見えてくれば、逆にフレーバー単体の香りに非常に興味がわいてきますし、必要不可欠なことも理解できます。しかし片っ端から数十個の単品香料のボトルを並べて一つ一つ味見をするという行為は、「当面のADV(オールデイベープ、つまり常飲)を早めに一つは確保しておくという意味では後回しにすべきだと思います。

ベイパーズタン ~リキッドの香りがしない~

私たちが臭いを感じることができる部分は、特定の香りに対して慣れや疲れにをかじると脳がその機能を閉じることがあります。

これにより、よくある事例として、自分の体臭が分からなくなったり、喫煙者は自分の服についたたばこのにおいが分からなくなったりします。

同じようにリキッド(香料)にたいしてこれらの反応が起こることがあります。

 

例えばストロベリー系のリキッドを二週間~数か月吸ったとしましょう。このとき、リキッドを作っても、さっぱりイチゴの香りを感じることができなくなるということがあります。筆者にも経験があります。何となく口の中に酸味やえぐみのようなものが残るのですが、いちごの匂いがしません。香料を入れ忘れた、もしくは量を間違えたのかと思い、足したりしますが、一向にストロベリーの香りを感じることができません。こういった事象のことをベイパーズタンと言います。タンというと舌……つまり味覚が鈍くなるという印象がありますが、実は香りに対しても使います。

 

治療方法……というと語弊がありますが、感覚を取り戻すには、一定期間その香料を使ってあるリキッドを避けるという方法があります。人口の香り(香料)は分子構造の違いによって実際にはイチゴがないのにイチゴのような香りを作り出しています。そのため、似た構造の香料を一定期間避けることによって、脳の閉じられた回路のようなものを再び開くことができるそうです。

人によるそうですが、ストロベリーの場合にはメロンを、クリーム系(デザート系)の場合にはフルーツ類をしばらく続けるとよいそうです。

※詳しくは海外サイトをグーグルで検索すると、よりたくさんの記事を見つけることができます。香料の専門家の方が書いている記事も見ることができますので、詳細について知りたい方は自分で調べてみてください。

 

筆者は一時期ストロベリーをほとんど感じることができなくなっていました。そこでレモンヨーグルトのリキッドを作成して数週間吸ったところ、ストロベリーバナナシェイク(レシピサイトより)の味を驚くほど強く感じることができるようになりました。バナナミルクっぽい少し酸味のあるリキッドかと思っていたのですが、バナナとストロベリーのまろやかなブレンド感がたまらないリキッドであると知ることができたのです。

 

このように、自分の好みだけに固執して吸い続けると、ベイパーズタンを起こすことがあります。避けることはできませんので、おかしいなと思ったらこのように利用する香料を替えてみるなどの対応をとってみてください。

因みに筆者の場合、「違う味を交互に吸う」といったやり方ではベイパーズタンを防ぐことができませんでした。なってしまったその時に、ある程度の期間、感じられない香りの香料を一切断つことが一番のようです。

ニコチン濃度 ~2種類の濃さのリキッドを作って運用する~

リキッドにニコチンを入れる場合、自分で適当な濃さを探すしかありません。これは前述したとおりです。しかし、海外のリキッド自作者が多く運用している方法があります。

 

ニコチン濃度が違う2種類以上のリキッドを自作する

ひとつはADV(All Day Vaping~一日中吸うもの~)を1㎎/mlで作り、ニコチンの刺激が欲しいときに3㎎/mlや6㎎/ml、もしくは12㎎/mlといった濃いめのリキッドをもう一つ作っておき、濃い方を少し吸うという方法です。

ADV用に自分が一番心地よいと思う味のものを作り、ニコチン補給用にクリーミーで濃厚な味のものを用意しておくというのも良い方法でしょう。ニコチンの濃度だけでなく、味わいにも濃さを出すことで満足感が増すかもしれません。

また、すごくおいしいのに味が濃すぎて(単純にフレーバーが多いのではなく、味の層が多い)、ずっと吸っているには疲れてしまう味のリキッドもあります。こういったタイプのリキッドにニコチンを多めに入れておくのも一案です。

 

アトマイザーを変える

アトマイザーを交換してMODの出力を買えるという方法もあります。

リキッドはそもそもどのくらいの抵抗や出力で吸うかによって香りの出方が違います。DLで大量のミストを発生させるときにはニコチン濃度が低いリキッドでもミストの量に比例してミストに含まれるニコチンの量が増えるため、満足感を得やすくなります。また、このようにたくさんミストが出るように設定したものでニコチンが多めのリキッドを吸うと、具合が悪くなることもあります。

逆にPODやMTLなど、高抵抗で少しだけのミストを発生させる場合にはニコチン濃度を少々濃いめに作っておかないと、ひと口で得られるニコチン量が少ないため、満足感が低くなったりします。

どのくらいの出力でどういう焚き方をするかによってもニコチン濃度を調節するとよいでしょう。

 

筆者の感想

筆者は濃さの違うリキッドを準備することと、DL用とMTL用のアトマイザーの両方を準備することの両方を行っています。紙巻きの節煙および禁煙目的(単純に節約)ですので、Vapeだけで満足できるようにいくつかのMOD……というかアトマイザーを準備しています。

これはニコチンの濃さだけではなく、リキッドの味(高温で焚いてDLで吸う方が味が出るもの、低温でMTLでゆっくり焚いた方がおいしいものがある)によっても変えています。

出力を上げて吸った方がおいしいリキッド、低めで吸った方がおいしいリキッドなどは、レシピサイトに開発者の意図が書かれていたり、フォーラムで話し合われたりしていますので、そちらも参考にしてください。

Vapeリキッドを自作する9 ~ニコチンフリーベースorニコチンソルト~

ニコチンフリーベースを使うのか、ニコチンソルトを使うのか……メリットデメリットが世界中あちこちで語られています。

 

筆者は個人的にはニコチンソルトを使う必要はないと思っています。

理由は以下の通りです。

 

・高額

単純にコストの問題です。わざわざ高額のものを使う必要はありません。PODシステムが流行し、割高なニコチンソルトが販売される一方で、ニコチンフリーベースは半額セールなどが頻繁に行われています。

 

・リキッドの味

味が壊れるほどニコチンを入れる必要はないと思っています。

このように考えれば、高濃度で運用すしなければならないという脅迫概念を取り除くことができます。

 

・刺激

ニコチンフリーベースは刺激が強く、24mg/ml以上での運用は難しいといわれています。喉が痛くなるんですね。ニコチンソルトは50mg/mlでも喉が痛くならず、スムースな味わいがあるといわれています。しかし自分の喉が痛くなる程度の濃さをリキッドに含まれるニコチン濃度の限界としてもいいのではないでしょうか?

 

・POD

PODにはニコチンソルト……という思い込みが蔓延しているようにも思えます。これはJUULの影響も大きいかと思います。しかしJUULは単にニコチンソルトを使うだけでなく、それを体内にうまく取り込む方法について特許を所持しています。このため、ニコチンソルトだけを使っても、JUULのような強い刺激を受けることができません。ニコチンフリーベースのリキッドでもPODで運用できます。一応ニコチンソルトは低温でも気化しやすいという特徴があるらしいのですが、一昔前のVapeは高抵抗低Wで吸うものであったことを鑑みるに、さほど神経質になる必要はないかもしれません。逆にニコチンソルトは高出力のMODで爆煙のアトマイザーで運用することは危険なのでやめてくださいと注意してあります。

 

以上の理由から私は特にニコチンソルトを運用する必要はないと思っています。

 

ニコチンソルトが流行する背景にはさまざまな事象があります。

EU圏ではVapeが禁煙補助具として認められている、アメリカでも紙巻きたばこは体にとても悪いので、少しでもマシなVapeにしようという流れです。

この時に問題になったのがニコチン依存の離脱症状の緩和です。ニコチン依存から離脱することはやはりつらいそうです。筆者はニコチン入りのリキッドを吸っているため、離脱が苦しいと感じたことはなく、スムースにVape一本へ移行できました。日本でもプルームテックやiQos、gloを吸いながらも紙巻きたばこはやはり手放せないという人の話もよく聞きます。逆に「何かを吸っている」「何かを咥えている」という行為の方が重要で、あまりニコチンに依存していなかったことに気づいて、スムースに電子タバコへ移行、そのまま禁煙したという人もいます。こういったことから、紙巻きから手が離れやすいニコチン濃度の高いリキッドを運用するということは理にかなっていると思えます。

また、紙巻きからVapeへ移行しようという層は大きなMODを敬遠しがちです。デバイスの小ささというのは普及への第一歩と言えるかもしれません。デバイスを小さくするには電池の容量を小さくするしかないわけですが、これである程度の時間(一日外出している間など)電源を確保しようとすると、高抵抗のコイルを使って、低Wで焚くしかありません。このため低出力でも運用がしやすいソルトが重宝されるのも理解できます。

海外では紙巻きを完全に絶つために、具合が悪くなる手前の量のニコチンをリキッドに加えることにより、紙巻きを吸いたくなくなる状態を作るという手法もあるようです。たっぷりとニコチンを摂取し、それ以上あわせて紙巻きを吸うと具合が悪くなる……という状態を作っているようです。こうしてタールの刺激から少しずつ距離を置き、Vapeに完全に移行します。その後、リキッドのニコチン量を徐々に減らしていくのです。そして、Vapeという行為を嗜好として残して楽しむという状態へ移行する人もいるようです。中にはクローズドシステムの手軽さと摂取できるニコチン量からJUUL以外に手を出すつもりがない人ももちろんいます。

この過程で、高濃度でも運用ができるソルトに軍配が上がります。しかしあまりにも刺激がないために、高濃度のニコチンの依存に陥るという懸念もされています。古いVaperたちの間では、50mg/mlの濃度のニコチンをVapingするなど頭がおかしいんじゃないだろうかとまで言う人までいます。そしてPODシステムとニコチンソルトの流行を推し進めようとする企業を辛らつに批判している人もいます。Youtubeなどでたくさんの動画を見つけることができるでしょう。

アメリカのVape界隈で活躍しているYoutuberなどは、1mg/mlで運用している人も少なくありません。もとは一日に紙巻きたばこを2~3箱開けていて、自分でもそのことに罪悪感があったという人も3㎎/ml前後で運用していたりします。

Vapeに移行したばかりの人で、自分はヘビースモーカーだから〇〇mgでないと運用できないに違いないと思っているのであれば、もう一度自分が吸っているものがおいしいかどうか、ほっとするかどうか確認してみるといいかもしれません。逆に仕事中などにキュっとニコチンをたっぷりとらないとイライラしてどうしようもないという方はソルトでの運用の方が向いているのでしょう。素直にソルトを購入し、高濃度で運用することも選択肢の一つでしょう。

完全に紙巻きたばこをやめたいのか、紙巻きたばこと併用してVapeを利用したいかにもよると思います。また、職場の立地環境で絶対に紙巻きタバコが吸えないという状況に追い込まれた人もいるでしょう。そういう強い脅迫概念にさらされている人には高濃度のニコチンリキッドというのは心のよりどころかもしれません。実際にタバコがやめられず、仕事をクビになった人もいますから、楽観視することはできないと思っています。ただし、そこまで精神的に追い詰められているのであれば、はじめにすることはVapeに移行することではなく、医師に相談することだと思います。

最終的には自分に合った方法をゆっくり探していくのが一番だと思います。慌てる必要も、流行に振り回せる必要もありません。

 

因みに筆者はソルト用のMODKIT(Vandy Vapeのスコンカー)を持っているのですが、6㎎で少々きつく感じます。

とりあえずは科学的な根拠は一つもない、ただの筆者の感想です。様々な研究機関もVapeという分野が新しすぎて、科学的根拠を集めきれていないという現実もあります。そのため、根拠となる研究がない現段階では何をどう意見しようと筆者個人の感想となります。そのため好きなものを好きなように使うのが現時点の最善となるのではないかと思います。ただ、ニコチンフリーベースを購入するか、ニコチンソルトを利用するかで迷っている方への一つの提案です。