Vapeリキッドを自作する9 ~ニコチンフリーベースorニコチンソルト~

ニコチンフリーベースを使うのか、ニコチンソルトを使うのか……メリットデメリットが世界中あちこちで語られています。

 

筆者は個人的にはニコチンソルトを使う必要はないと思っています。

理由は以下の通りです。

 

・高額

単純にコストの問題です。わざわざ高額のものを使う必要はありません。PODシステムが流行し、割高なニコチンソルトが販売される一方で、ニコチンフリーベースは半額セールなどが頻繁に行われています。

 

・リキッドの味

味が壊れるほどニコチンを入れる必要はないと思っています。

このように考えれば、高濃度で運用すしなければならないという脅迫概念を取り除くことができます。

 

・刺激

ニコチンフリーベースは刺激が強く、24mg/ml以上での運用は難しいといわれています。喉が痛くなるんですね。ニコチンソルトは50mg/mlでも喉が痛くならず、スムースな味わいがあるといわれています。しかし自分の喉が痛くなる程度の濃さをリキッドに含まれるニコチン濃度の限界としてもいいのではないでしょうか?

 

・POD

PODにはニコチンソルト……という思い込みが蔓延しているようにも思えます。これはJUULの影響も大きいかと思います。しかしJUULは単にニコチンソルトを使うだけでなく、それを体内にうまく取り込む方法について特許を所持しています。このため、ニコチンソルトだけを使っても、JUULのような強い刺激を受けることができません。ニコチンフリーベースのリキッドでもPODで運用できます。一応ニコチンソルトは低温でも気化しやすいという特徴があるらしいのですが、一昔前のVapeは高抵抗低Wで吸うものであったことを鑑みるに、さほど神経質になる必要はないかもしれません。逆にニコチンソルトは高出力のMODで爆煙のアトマイザーで運用することは危険なのでやめてくださいと注意してあります。

 

以上の理由から私は特にニコチンソルトを運用する必要はないと思っています。

 

ニコチンソルトが流行する背景にはさまざまな事象があります。

EU圏ではVapeが禁煙補助具として認められている、アメリカでも紙巻きたばこは体にとても悪いので、少しでもマシなVapeにしようという流れです。

この時に問題になったのがニコチン依存の離脱症状の緩和です。ニコチン依存から離脱することはやはりつらいそうです。筆者はニコチン入りのリキッドを吸っているため、離脱が苦しいと感じたことはなく、スムースにVape一本へ移行できました。日本でもプルームテックやiQos、gloを吸いながらも紙巻きたばこはやはり手放せないという人の話もよく聞きます。逆に「何かを吸っている」「何かを咥えている」という行為の方が重要で、あまりニコチンに依存していなかったことに気づいて、スムースに電子タバコへ移行、そのまま禁煙したという人もいます。こういったことから、紙巻きから手が離れやすいニコチン濃度の高いリキッドを運用するということは理にかなっていると思えます。

また、紙巻きからVapeへ移行しようという層は大きなMODを敬遠しがちです。デバイスの小ささというのは普及への第一歩と言えるかもしれません。デバイスを小さくするには電池の容量を小さくするしかないわけですが、これである程度の時間(一日外出している間など)電源を確保しようとすると、高抵抗のコイルを使って、低Wで焚くしかありません。このため低出力でも運用がしやすいソルトが重宝されるのも理解できます。

海外では紙巻きを完全に絶つために、具合が悪くなる手前の量のニコチンをリキッドに加えることにより、紙巻きを吸いたくなくなる状態を作るという手法もあるようです。たっぷりとニコチンを摂取し、それ以上あわせて紙巻きを吸うと具合が悪くなる……という状態を作っているようです。こうしてタールの刺激から少しずつ距離を置き、Vapeに完全に移行します。その後、リキッドのニコチン量を徐々に減らしていくのです。そして、Vapeという行為を嗜好として残して楽しむという状態へ移行する人もいるようです。中にはクローズドシステムの手軽さと摂取できるニコチン量からJUUL以外に手を出すつもりがない人ももちろんいます。

この過程で、高濃度でも運用ができるソルトに軍配が上がります。しかしあまりにも刺激がないために、高濃度のニコチンの依存に陥るという懸念もされています。古いVaperたちの間では、50mg/mlの濃度のニコチンをVapingするなど頭がおかしいんじゃないだろうかとまで言う人までいます。そしてPODシステムとニコチンソルトの流行を推し進めようとする企業を辛らつに批判している人もいます。Youtubeなどでたくさんの動画を見つけることができるでしょう。

アメリカのVape界隈で活躍しているYoutuberなどは、1mg/mlで運用している人も少なくありません。もとは一日に紙巻きたばこを2~3箱開けていて、自分でもそのことに罪悪感があったという人も3㎎/ml前後で運用していたりします。

Vapeに移行したばかりの人で、自分はヘビースモーカーだから〇〇mgでないと運用できないに違いないと思っているのであれば、もう一度自分が吸っているものがおいしいかどうか、ほっとするかどうか確認してみるといいかもしれません。逆に仕事中などにキュっとニコチンをたっぷりとらないとイライラしてどうしようもないという方はソルトでの運用の方が向いているのでしょう。素直にソルトを購入し、高濃度で運用することも選択肢の一つでしょう。

完全に紙巻きたばこをやめたいのか、紙巻きたばこと併用してVapeを利用したいかにもよると思います。また、職場の立地環境で絶対に紙巻きタバコが吸えないという状況に追い込まれた人もいるでしょう。そういう強い脅迫概念にさらされている人には高濃度のニコチンリキッドというのは心のよりどころかもしれません。実際にタバコがやめられず、仕事をクビになった人もいますから、楽観視することはできないと思っています。ただし、そこまで精神的に追い詰められているのであれば、はじめにすることはVapeに移行することではなく、医師に相談することだと思います。

最終的には自分に合った方法をゆっくり探していくのが一番だと思います。慌てる必要も、流行に振り回せる必要もありません。

 

因みに筆者はソルト用のMODKIT(Vandy Vapeのスコンカー)を持っているのですが、6㎎で少々きつく感じます。

とりあえずは科学的な根拠は一つもない、ただの筆者の感想です。様々な研究機関もVapeという分野が新しすぎて、科学的根拠を集めきれていないという現実もあります。そのため、根拠となる研究がない現段階では何をどう意見しようと筆者個人の感想となります。そのため好きなものを好きなように使うのが現時点の最善となるのではないかと思います。ただ、ニコチンフリーベースを購入するか、ニコチンソルトを利用するかで迷っている方への一つの提案です。