リキッドを自作する ~自分のレシピを作る 有名レシピから学ぶ 何がリキッドを構成しているか~

 まず、自分の思うリキッドを作ろうと思った場合(クローンなども含む)、それらがどのように構成されているか知る必要があります。

たとえば、レモンミント味のリキッドを吸ってみたいとします。そこでたいていはレモンフレーバーとメンソールなどを混ぜて作ることが思い浮かぶでしょう。しかしこれでは「レモンミント味」ではなく、トイレの芳香剤の味にしかなりません。ではどうしたらいいのでしょうか。

このため、レシピサイトで公開されている有名なレシピをいくつか作ってみる必要があります。

因みに筆者も初心者ですので、ほとんどが他のサイトからの受け売りや、他のサイトを読み込んで試した結果の感想となります。

 

ボディを使いこなす

よくある例としては、フルーツ系でデザート系とまではいかないのに「バーバリアンクリーム」か「チーズケーキグラハムクラスト」が入っている場合などです。これらはボディと呼ばれます。フルーツ系だけでは香りが飛びやすく、薄く、レイヤーも発生しません。このため、クリーム系やクラッカー系を入れてその周りにフルーツの香りをまとわせてレイヤーを作る方法です。

これらを学ぶには、Strawberry FogやGod Milkなどを作ってみるといいでしょう。

 

特定フルーツ系のリキッドの完成のために他のフルーツフレーバーを使う

これはフルーツのレイヤーになります。ストロベリーをアップルを混ぜ合わせることによって、特定のフルーツのフレーバーを前面に出す……ボディとして確立させるという方法です。これを学ぶには、Glass AppleやMama Melonを作ってみるといいでしょう。

 

ミルク風味、クリーム風味を使いこなす

バナナ味やストロベリー味、ピーチ味を作るとき、ホイップクリームやバニラアイスクリームを使うレシピが数多くあります。また、バナナ味を作るのに「バナナ」香料を使わずに、「バナナクリーム」香料を使うパターンから知ることができます。「これらはフルーツ系のツンとくるアルコールっぽさや化学薬品臭を打ち消すことができます。

主にStrawberry Banana MilkShakeやBoss reserve cloneなどを作ってみると感触がつかめてきます。特にグリークヨーグルトを使ったレシピは注意しないとすべてが梅ガムの味になります。ヨーグルトの酸っぱさとフルーツの酸味の扱いは非常に難しいと感じます。これを緩和するために、さらにクリームやアイスクリーム系を加えます。

 

有名なレシピから特定の香料を抜く

手っ取り早く上記三点を学ぶには、例えばバーバリアンクリームを抜いたものを作る、チーズケーキグラハムクラッカーを抜いたものを作る、ストロベリーとアップルを混ぜることによって「アップル味のリキッド」を作るところ、あえてアップルだけで作ってみる、ヨーグルトものからクリームを除外するなどの方法で、特定の材料を除いて作っにたものを味見してみるとよくわかります。

結論から申し上げますと、おいしくありません。※個人の感じ方がありますので、かえってこちらの方が「疲れない味」がすると感じる人もいます。

この実験の良いところは、抜いた状態で味見をしてみて、おいしくないことを確認した後に抜いた香料を分量分足せば、作ったリキッドを捨てずに済むということです。

これはスイカに塩をかけて食べるのか、肉じゃがに砂糖もみりんも入れるか、あるいは砂糖は入れずに醤油とみりんだけで味を整えるかに似ています。好みもありますので、ぜひ試してみてほしい過程です。

 

甘味料が何かをおぼろげながらつかむ

フルーツ系やデザート系は、手っ取り早く甘味料を足してしまえば何となくおいしいと感じることが極めて多くあります。しかしそれらはベイパーズタンを招きやすく、ポッドやコイルのガンクを増やすデメリットもあります。

レシピを見ると、スイートナーやコットンキャンディ(これも甘味料です)を使っていないのに、非常に甘く感じるレシピもあります。香料そのものに甘味がついているものがありますが、それだけではありません。どういう癖があるのか、例えばコットンキャンディと書いてあるものをCapellaのSuperSweetに置き換えてみるなどで実験してみるとよいかと思われます。差異を感じないようであれば、気にする必要はありませんが、後々複雑なレシピを作るようになると、それぞれが大きな印象の違いを与えることに気づくことがあります。

 

足し算と引き算

ファッション誌に腐るほど出てくる言葉ですね。引き算の美しさ、挿し色の技術。ファッション誌は視覚だけで、へーと思えるかもしれません。しかしながら香料はいちいちグリセリンで溶いて味見(あるいはその前にスティープという過程が発生する可能性もある)する必要があるため、その労力は計り知れません。しかしながらこれは経験からしか得ることができないような気がします。もっとっ手っ取り早く知る方法があれば、私もとても興味があります。

 

フレーバーノート

フレーバー単品がどのような味をしているか、どのような風味を持っているか、ひとつずつテストしていきます。数年がかりの作業になります。私はこれは初心者の段階では労力の割に得られるメリットが少なすぎる気がします。なぜならば「すべておいしくない」ことが多いからです。ケミカル臭が強かったり、混合を前提として作られているものにおいては「ピーチ」と書いてあってもピーチの香りがしないものもあるからです。

まずは有名レシピの足し引きで何となく全容を知ることの方が労力と挫折感を味合わずに済みますし、「何をしているのかわからない」「ただ頭痛だけを引き起こす動作を繰り返す」という気分を感じずに済むと思います。

足し算引き算がレシピから見えてくれば、逆にフレーバー単体の香りに非常に興味がわいてきますし、必要不可欠なことも理解できます。しかし片っ端から数十個の単品香料のボトルを並べて一つ一つ味見をするという行為は、「当面のADV(オールデイベープ、つまり常飲)を早めに一つは確保しておくという意味では後回しにすべきだと思います。